ここまで来るのに、何かを掴んでいなければいけなかったのかもしれない
旅を始める前、ほぼ、からっぽ状態だった
だけど、それが逆に自分の思い込みやらを、逆撫でして、「どこまででも行ける」って思ってた
それは、自由を感じていたのかもしれない
だとしたら、僕は強かった
仕事を辞め、バンドは休憩、恋人はいるわけねー、家族は少しめんどい、未来はファック
それが僕をどこまでも連れて行ってくれる様な気にさせたのかもしれない
調子のいい事に「戻ってくる所はここだ」とも思っていたのは事実だ
実際、年末のイベントも決定してたし、来年の4月から学校に行く予定だったし
2005年10月24日、当てもない旅に出た
それだけでいい気がするけど、僕はこういう奴だ
どこかで誰かが恋しくて、誰かを必要としていて、誰かに伝えたい
たとえ、それが自己満だとしてもそこは変わらないと思う
帰ってきて、色々聞かれた
そこで思ったのは、なぜか「伝わるわけない」とか、そういった無責任な答えだった
だから「楽しかった」と言い、適当に町の名前を言ったりして終わらしてた
でも、ここに来て、何よりも旅をした自分でさえを否定してる事に繋がった
あの旅で得たたくさんの事、やりきれなかった夜や、神秘的な朝
それを感じた僕が消えてしまった
幸いにも、僕は毎日、日記をつけていた
汚い字で、でも丁寧に書かれている
僕はわかっていたのかもしれない
忘れてしまう事を
そして、忘れてはいけないって事を
「これはなんのためなのか」って聞かれたらよくわからない
でも、やってもいいと思う
「自分のため」とは自信持って言えないわ
うん、やってみる
日記だけじゃ、なんか納得できないから、写真と今思う事も添えて